人によって宝物は違います。そして持っているだけで価値のある物です。
今回はそんな宝物の話です。
それは姉妹だという二人の女性からの依頼でした。内容は伯父の遺品整理。
お話を聞くと、その伯父は自分たち姉妹を本当の娘のように可愛がってくれていた。しかし生涯独り身だった為、感謝の意味も込めて私達二人で片付けることにした。しかし私達にはできることに限界があるので一緒に片付けてもらいたいとのことでした。
一緒に片付けながら、出てくるお写真を見て懐かしみながら色々なお話を聞かせていただきました。
入学式や卒業式には祝ってくれたこと、結婚式には泣いて喜んでくれたこと。とにかく最後まで可愛がってくれたこと。
後半になり、押入れの奥から厳重に包まれた小さなお菓子の箱が出てきました。許可をいただき中を開けると、そこには小さな女の子の写真がいっぱい。
「これ、私達の小さい頃の写真です。大切にしまっていたんですね。本当に自分の娘のように思ってくれていたんですね。」と泣きながら言いました。
そしてもう一つ厳重に包まれたお菓子の箱。開けるとなんとそこには性的趣味のDVD。
(こういう女性が好みなのか)そんなことを一瞬思うも今この感動の場を壊しかねない物。気づかれないように部屋の外へ。
「あれ?もう一つ似たような箱を開けていませんでしたっけ?」
「それが空だったんですよ」
「そうだったんですか」
信用してもらえた。
自分で言うのも何ですが、作業前から現在まで丁寧でお客様に寄り添った信用と信頼を得る接客が功を奏した。
こうして亡くなった伯父の尊厳を守り作業を完遂。
同じ男として、同じ伯父として、この方の「宝物」の価値は十分に理解できた。
宝物。それは持っているだけで価値のあるものである。