飯田タイル有限会社 代表取締役 髭ダルマこと飯田貴裕
髭ダルマ社長の作業日誌

スメルハラスメント1

スメルハラスメント略してスメハラという言葉がある。

定義が難しいが、自分にとって不快なニオイ。これが一番の大きなポイントである。

電話での依頼は男性から。「引っ越したが、よく内見せずに決めてしまった。引っ越してから前の住人の使用していたであろう香水?のニオイが気になるので消臭してもらいたいとのこと。

問い合わせのあったマンションに到着した。

デザイナーズマンションである。エントランスからセンスの良さが溢れ出ていた。

インターホンを押すとファッション雑誌から出てきたような男から見てもイケメンの男性が迎えてくれた。

そして問題の部屋へ通される。1LDKの日当たりの良い部屋だ。

男性が怒りを抑えた口調で「わかりますか?このニオイなんですよ。これをなんとかしてもらいたいんです」と言った。

オシャレな空間にほのかに甘い香りがただよっていた。

壁に鼻を近づけると、この香りが強かった。

他にニオイの発生源を特定する為、目を閉じ、鼻に神経を集中させ色々な箇所のニオイを嗅ぐ。

脳裏にはモデルのような綺麗な女性が部屋で身支度する様子が浮かんだ。

そしてふと思った。「むしろ嬉しい特典なのでは?」

そう思いながら男性の顔を見ると怒りに満ちた表情であった。しかしそんな表情もイケメンだった。

全体に香水等の芳香剤対応の消臭剤を撒き、オゾンを回すことにした。

オゾンをかけ終わり、換気するとあの香りは完全になくなっていた。

男性に確認してもらうと最高の笑顔を見せてくれた。今日一番のイケメンである。

実はこの男性も香水をつけていた。しかし匂いの種類は全く違っていた。

私からしたらどちらも良い匂いである。

美男対美女(多分)による香水大戦スメルウォーが起きていた現場であった。

 

TOP